豊胸手術を受けたあとに、しこりができたなどのトラブルをかかる事例が増加を見せています。それ以外にも左右で形がちがう、段差がみられたり乳房の一部にひきつれがみられるなど多彩な様相を呈するのが特徴ですが、本来はバストアップを目指して審美的に満足を得るための手術を受けたにもかかかわらず、意想外の結果にショックを受ける女性は珍しくないのです。原因には色々想定されますが、人工乳腺によるトラブルや、ヒアルロン酸などの注入により周囲の乳腺組織や大胸筋などに漏れ出す、自家脂肪細胞の移植などがときにしこりを形成するなどが典型的です。

豊胸術そのものは技術的には確立されたものですが、トラブル事例が増加している背景には執刀する医師の経験や技量不足とシリコンパックなどの内容物の粗悪さに起因する部分が大きいといえます。
女性らしさの象徴であり、授乳による育児を行なうためにも重要な器官であるバストですが、審美的も機能的にも満足するべき結果を得るためには、胸部の筋肉や脂肪組織、乳腺組織についての深い解剖学的治験と確かな技術が要求されるのです。とりわけ人工乳腺をインプランとする手術は、美容クリニックでも人気の手術になるので普段は顔などの美容整形に取り組んでいる医師が執刀する場合も珍しくありません。普段は執刀することのないバストも取扱うことで、危険不足や技能不足に起因するトラブルの勃発を招いているといって間違いないでしょう。

よく移植されている人工乳腺パックの品質そのものもかなり深刻な問題になっています。移植後数年程度は問題なく経過していたにもかかわらず、経年劣化が進行し耐久性が落ちてしまって、最悪の場合には内容物が周辺の組織に漏出するといった深刻なトラブルをもたらしているわけです。一度もれだしてしまうと、外科的に手術しても完全に除去するのは困難です。

しかし一度豊胸手術後にしこりができてしまったら、何らかの対策をとる必要があります。ただしここで注意するべきなのは、成年女性では常に乳がんの危険が存在するということです。シリコンパックなどが入っていると、品質によっては触感が自然な乳房組織と異なっている場合があります。かりにシリコンパックなどのインプラントに問題がなくても、がんなどの腫瘍が発生しているときも、しこりとして探知されることがしばしばです。そのため手術を受けたクリニックでは乳がんなどの腫瘍の疑いがある場合には、確定診断の為に専門の乳腺外科などに紹介する場合が多いようです。この点の取り扱いはクリニックによっても異なっていて、乳腺外科も診療科目に掲げており、一般医療にも取り組んでいる場合には、確定診断などもワンストップで対応してくれる施設もあるようです。

それでは乳がんなどの他の疾患の可能性が否定される場合に、豊胸手術の失敗のケアはどのように行なわれているのででしょうか。この問題の検討に当たっては、何を乳房に移植したかによってアプローチが異なっています。まず自家脂肪細胞を移植した場合、必ずしも外科的に除去する必要がないことがあります。自分の細胞なので拒絶反応の心配もなく、サイズによっては体内に吸収されることも考えられるからです。

これに対して脂肪以外のシリコンパックやヒアルロン酸注射などが原因の場合には、体内の異物が何らかの原因で破綻していると考えられるので外科的に除去するのが原則になります。そのため美容クリニックで対応するのは難しく一般の乳腺外科を紹介してもらって治療を受けることになるのが一般的です。
豊胸手術によるトラブルは増加しており、一部の薬剤は使用禁止の方向性も研究者より示唆されています。リスクを十分踏まえたうえで豊胸手術を受けるべきかを判断するのが賢明です。